私の理想の老後生活

理想の老後

年齢30歳で独身。東京都内の中小企業で働いている私は、そんなプロフィールを持っています。友人たちでも早い子は大学卒業と同時に彼氏を捕まえ、「結婚」という名前の人生の墓場に連れ込み、そこで「幸せ」と書かれたレッテルを周囲に張ってもらって嬉しそうに暮らしています。
一方私はと言えば、三年間付き合った彼氏と最近別れ、現在は「結婚?何それ食べられるの?」とヒネクレタ答えを返すような生活を送っています。何でも別れた彼曰くは、「お前が家庭に入って、大人しく主婦をやってくれる姿がどうしても想像出来ない」とのことで、別れて欲しいと懇願されました。
どうやら私は、根本的に「結婚」という、世間様が「幸せ」と同意義で使うこの言葉と縁遠い星の巡りの元に生まれたようです。

思い返してみると、私がこんなになってしまう原因はすぐ身近にありました。私の父と母は非常に仲が悪くて顔を見るごとにいつもケンカしており、その火の粉が何かと身に降りかかる生活をしていたのです。
そして小学校高学年のころには、自分の老後について、「誰かに看取ってもらわなくてもいいから、代わりに誰にも迷惑を掛けず、静かに消えていくように暮らせる生活がしたい」などと、夢も希望も無いことを目標としたのです。
そんな目標を立てた女が、その後どんな人生を歩んでいくかなんて、誰にでも想像出来ます。私は、自分の周辺に誰も信用出来る人間がいないという、とても静かで寂しい世界に生きることとなったのです。